低音女子の選曲|キーを下げるより「最低音」で選ぶ
キーを下げても歌いにくい、の正体
高いところが苦しいのでキーを下げたら、今度は低いところが聞こえなくなった。低い声の方から出てくる悩みです。
これは操作としては当たり前のことが起きています。キーを下げるというのは、曲全体を平行移動させる操作だからです。高いほうの負担は減りますが、同時に低いほうも同じだけ下がります。もともと低音が出る人でも、自分の下限より下に行けば声は鳴りません。
つまり低い声の女性にとって、選曲の判断材料は「高いところが出るかどうか」だけでは足りません。その曲のいちばん低い音が、自分の下限より上にあるかを先に見る必要があります。
自分の「下限」を調べる
Moon²のレッスンでは、音域の確認を次のように行っています。
女性なら E3、男性なら A2 あたりから始めて、5音の発声で上下させながら見ていきます。
このとき見ているのは、出るか出ないかの一点ではありません。
- 地声の範囲はどこまでか
- そのなかで無理なく出せているところはどこか
- つまり始めるところはどこか
- そこから先はミックスに入れているのか
- 裏声ではどこまで行けるのか
ご自宅で確認するなら、ピアノアプリで代用できます。E3(真ん中のドの少し下のミ)から半音ずつ下に降りて、一音ずつ「あー」で声を合わせてください。息が漏れてスカスカになったり、音程が定まらなくなったところが限界です。
ただし、その限界の音を下限として使わないでください。
レッスンで「無理なく出せているところ」と「つまり始めるところ」を分けて見ているのは、この2つが違うものだからです。つまり始める音は、その日の体調で簡単に出なくなります。カラオケで一曲通して歌うなら、余裕をもって鳴っているところまでを実用範囲と考えてください。
同じ手順で上に登れば上限も分かります。この2つが自分の実用音域です。
曲の最低音を知る
曲の最低音は、耳で当てるのは難しいものです。カラオケ機種の音域表示や、音域を掲載しているサイトを使うのが早道です。
見るべきなのは、サビの高いところではなくAメロの低いところです。「歌えない」と感じる曲は、サビが高いのではなく、Aメロが低すぎて声が沈んでいることがあります。サビだけ確認して選ぶと、この落とし穴にはまります。
原曲の最低音が自分の下限より低ければ、キーを上げるという選択肢が出てきます。低い声の人がキーを上げるのは一見おかしく思えますが、低音が沈んで聞こえない状態が直れば、歌全体の印象は良くなります。
選曲の手順
- 自分の下限と上限を調べる(一度やれば当分使えます)
- 歌いたい曲の最低音と最高音を調べる
- 曲の音域を、自分の音域の真ん中あたりに収めるようにキーを決める
- 実際に歌って、Aメロとサビをそれぞれ確認する
3が肝心です。上限にぴったり合わせると、その日の調子で歌えなくなります。真ん中に置いておくと、調子の良し悪しを吸収できます。
低い声は不利ではありません
低い声を「地味」「暗い」と感じている方もいますが、低い音域には高い声では出せない密度があります。落ち着いた雰囲気、言葉の説得力、耳に近い距離感。それは低い声だから出せるものです。
不利に感じるのは、高い声を前提に作られた曲をそのまま歌おうとしたときだけです。曲の側を自分に合わせれば済む話です。
具体的にどのアーティストが合うかは、別の記事で紹介しています。あいみょんさん、絢香さん、AIさん、中島みゆきさんなど、低音を活かせる女性アーティストをまとめました。
まとめ
- キーを下げると低いほうも下がる。高いところだけ見て決めない
- ピアノアプリで自分の下限を調べる。ギリギリの音は数に入れない
- 曲はAメロの低いところを見る
- 曲の音域を自分の音域の真ん中に置く
自分の音域が分かると、選曲で迷う時間が減ります。Moon²の体験レッスンでは、この音域の確認を一緒に行っています。地声のどこまでが実用範囲で、どこからミックスに入っているのか。ご自身の声の地図が分かると、選曲の判断がはっきりします。
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